観光やレジャー、美味しい食べ物など、旅の目的はひとそれぞれですが、【どこに泊まるか】は、あなたの中でどの程度の優先順位でしょうか?
「寝ることが出来ればどんなホテルでもいい」「安さ重視」な方もいらっしゃる一方で、「家族のお気に入りの宿がある」「新しく出来たホテルに行ってみよう!」など、宿泊施設に泊まりに行くことを目的として旅に出るという方も多いのではないでしょうか。
コロナ禍で宿泊者の数が大幅に減少する一方で、東京や大阪、北海道、沖縄、京都、などの観光地では高級ホテルが続々と開業、または開業予定にあります。
コロナ以前に開業計画が立ち上がったということもありますが、開業に踏み切ったホテルは国内客や将来の訪日客の回復を見込んでいます。
ホテル自体が観光スポットに
激戦区に新しくオープンするホテルにはそれぞれ独自性があり、コンセプトがはっきりとしているという特徴があります。
その地の文化や歴史などの特徴を反映した建物のデザインのホテルなど”ホテル自体が観光スポット”となるような、非日常に溶け込める空間へと変化しています。
2020年11月、京都にオープンした
HOTEL THE MITSUI KYOTOは、徳川幕府によって建てられた二条城の直ぐ近くに250年ものあいだ存在した三井総本家の邸宅跡地に建てられました。
HOTEL THE MITSUI KYOTO 梶井宮門
モダンな中にも京都らしさを感じる館内、そしてエントランスには三井家も有した梶井宮門(かじいみやもん)を再現しています。中庭を眺めながらホテル内を散策するだけでもあっという間に時間が過ぎそてしまいそうなほど、趣たっぷりな空間です。
また2020年9月、横浜には、
ザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜がオープン。ハワイ、オアフ島の名門ホテルが日本に進出したのです。
オアフ島の中でも観光客で溢れるワイキキではなく、閑静な高級住宅街に位置するカハラホテルは、ラグジュアリーであり、どこか落ち着く雰囲気で、静かにゆったりとした時間を過ごせると、ハワイ好きの方の中でも”憧れホテル”として知られています。またアメリカ、日本のみならず、世界の著名人も数多く利用してきた歴史あるホテルでもあります。
そんなオアフ島のカハラホテルでも大人気のアフタヌーンティーですが、横浜のホテル内にある「ザ・カハララウンジ」でも横浜ならではのアレンジが加わったアフタヌーンティーが楽しめ、こちらを目的にホテルを訪れる人も少なくありません。
4/1からグレードアップするザ・カハラ・アフタヌーンティー
本家カハラホテルより、モダンで洗練されたデザインの館内は横浜ならでは。ハワイにいったことがある人もない人も、新しい体験ができるホテルなのではないでしょうか。
地元コミュニティーとホテル事業者がタッグを組む「地域密着型」ホテル
またコロナの影響で、人で混雑する有名観光スポットより、人里離れた田舎での生活を体験するという「地域密着型」のホテルが増えています。
大手住宅メーカーが、キッチン付きのコンドミニアムタイプのホテルを地方各地にオープンし、新しい旅のかたちを広めています。
館内にレストランがないところが多いのが特徴で、宿泊客は道の駅などで地元の食材を購入し、自分で料理をすることができます。
「将来はのんびり田舎暮らしもいいなぁ…」と考える方に、”地方移住”をプチ体験出来ると人気になっています。
地元コミュニティーとホテル事業者がタッグを組み、宿泊客にサービスを展開するなど地域の活性化にも繋がっているようです。
もはやホテルは”観光から帰って寝るだけ!”の場所ではなくなっています。一日中ホテルで過ごしても十分に有意義な時間が過ごせるのです。
どんどんと多様化していくホテル業界。選択肢が増えるほどに、旅のバリエーションも広がり、より充実しますよね!
コロナ禍でなかなか遠出が出来ない状況が続きますが、近場で非日常を感じられる”ホテルステイ”に出かけてみてはいかがしょうか。
ミチ・ローマン
Michi Roman
ハワイのカレッジ卒業後、旅行代理店で勤務。帰国後、地元京都のホテルでフロントスタッフとして勤務。その後結婚を機にシアトルに渡り、フリーの翻訳兼ライター業を始め、日本に戻った現在もこれまでの経験を生かして活動中。