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秋の気配を感じさせる…京都嵐山の❝宝厳院❞を訪ねました。
令和 2年 9月21日(月・祝日) 天候:晴れ
大堰川の辺から嵯峨野につづく沿道に❝宝厳院❞が佇んでいます。
大亀山❝宝厳院❞は、〚天龍寺〛の塔頭寺院で、緑豊かな境内には【本堂】をはじめ、書院や茶庵の無畏庵、青嶂軒が静かに佇み、美しい嵐山の景観をも巧みにとりいれた借景回遊式庭園...です。
この庭園の一般公開は、新緑の春に開催される『春の特別公開』と、紅葉の秋に開かれる『秋の特別拝観』の年2回のみ…と、なっています。
拝観受付のある〘山門〙は、茅葺きの長屋門で、‘ほのぼの’...と、した京都の風情を醸し出していました。
受付を済ませ〘山門〙をくぐり∼・∼少し進むと、散策路の沿道に竹の枝を上向きに吊るした垣根(穂垣)と、竹の枝を下向きに吊るした❛宝厳院垣❜と呼ばれる珍しい垣根に沿って園内に進みます。
私達が訪れた日、≪獅子吼の庭≫を彩る“青もみじ”の木々が…ほんの少し色づき始めていました。
無言の説法をとりいれた庭園・・・その入口から順路に沿って歩いて行くと、黒い玉石(ソフトボール大)が敷き詰められ、現世の煩悩と苦しみ…そして、悲しみを凝縮した姿を玉石群で表わし、それを〝苦海〟に見立てているそうで…〝苦海〟を渡りきった築山に釈迦如来を模した〔三尊石〕が配されており、この庭を愛でる人の心に何かを問いかけられているようでした。
この庭の蘊蓄が記された長文の立札を読み上げ∼・∼先に進みます。
順路に沿って奥に進む...と、“青もみじ”に囲まれた茅葺き屋根の茶庵〚無畏庵〛が見えてきました∼・∼お茶を‘いっぷく’と、思いましたが、当日は生憎…茶庵の木戸は閉ざされていました。
茶庵の前から【本堂】につづく小径を進みましたが、少し離れた所から外観を眺めただけで∼・∼拝観の順路に戻ります。
美しい苔の絨毯に木漏れ日が降り注ぎ、その光のグラデーションを楽しみながら…曲がりくねった散策の小径を歩いて行く...と、もの凄く存在感のある巨石が目の前にあらわれました。
傍には《碧石》と書かれた立板がありました。
この巨岩は「2億年前の海底に堆積した微生物やプランクトンが水圧で圧縮された硬い岩石」です...と、パンフに書かれていました。
散策の小径を先に進むと、苔庭の中に竹を組合わせた珍しい造形の〔豊丸垣(藁垣)〕が見えてきます。
〔豊丸〕とは…茶人の名前だそうで、その垣根は美しい苔庭に似合っていました。
その先に進む...と、次なる巨石が横たわっているのが見えてきます。
苔むした〖獅子岩〗...です!
そばに立つと、圧巻の大きさで、少し離れた処から眺めると、獅子の姿に見える事から〖獅子岩〗と、作庭者の『策彦周良禅師』が、命名されたそうです。
石質は、《碧石》と同じでした。
また、<響岩>と呼ばれる巨石もあるようですが、庭園内には巨石が数多く点在しているため名前を覚える事が出来ませんでした。
私達も数々の庭園を観てきましたが、こんなに多くの巨石が配された庭は初めてです。
また、珍しい垣根も観られ、緑の苔庭と趣のある竹垣が効果的な組み合わせになっているようでした。
順路に沿い∼・∼出口に向かい歩いている...と、苔庭に〔光悦寺垣〕を配した大堰川の木標「渡月橋の袂に立っていた親柱」が静かに佇んでいました。
もう少し歩いて行きます。。。
木漏れ日のさす苔庭と古びた土塀沿いに羅漢像(七賢人像)が見えてきました。
羅漢とは、釈迦の弟子で、崇高な修行者(悟りを得た人)と、記されています。
巨石と苔とが長い時間をかけて造り上げた美しい庭園をめぐり終え∼・∼茅葺きの長屋門をくぐり、表に出る...と、改めて眺め観る“青葉もみじ”のトンネルと、土塀…その傍らには羅漢像が立ち並び∼・∼私達を見送っているようでした。
この近隣にある寺院の多くは“紅葉”の美しさで有名ですが、早秋の❝宝厳院(獅子吼の庭)❞を彩る“青葉もみじ”...と、色鮮やかな緑の苔庭の美しさは、私達にとって見逃す事の出来ない景観でした(*^-^*)
≪秋の特別拝観≫
9月19日(土)~12月6日(日):9:00~17:00まで。
ライトアップ期間:11/9~12/6 5:30pm~8:30pmです。
拝観料金:大人/500円(高校生以上)・小人/300円(小中学生)
宝厳院と引源寺の割引共通券:900円/人が、あります。
施設:トイレ・庭園入口にあります(綺麗です)・ベンチ(随所にあります)
※ 一脚・三脚はNGです!
アクセス(電車がベターです!)
電車:JR「嵯峨嵐山駅」下車、徒歩10分。
嵐電「嵐山駅」下車、徒歩3分。
京阪「三条」下車→地下鉄、嵐電に乗り換え「嵐山駅」下車、3分。
阪急「嵐山駅」下車、渡月橋を渡り約10分。
※この観光スポットの感想クチコミは各投稿者が経験した体験を基にした個人的な意見であり、【たびかん編集部】のものではありません。
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