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北海道の数ある岬の中で、最北端の宗谷岬・最東端の納沙布岬・迫力満点の襟裳岬や神威岬は有名で観光地にもなってますが、最東端の納沙布岬に近い「落石岬灯台」は、太平洋に突き出た、高さ約50mの断崖絶壁の台地の上にあり、また北海道三大秘岬の一つにも数えられています。
北大西洋シーサイドラインと言う、非常に絶景が続く「道道(どうどう)」を進むと、眼下に落石港、そして遠く落石岬の台地が見渡せます。
ココだけでも潮風が心地よい大絶景ですが、さらに落石岬まで進みます。
砂利の空き地の様な場所に車を駐車し、「落石岬」と書かれた看板を頼りに、落石岬灯台に向けて歩き出します。
爽やかな北海道の空気と草原の風が心地良いですが、この草原は「落石湿原」と呼ばれ、ヒオウギアヤメ、チシマフウロ、ツマトリソウ、エゾスカシユリなど色んな花が咲き乱れるので、その花々を愛でながら、探しながら歩くのも面白いです。さらに色んな野鳥もいるので、バードウオッチングも最高です。
前方の「アカエゾマツ」の林の中に入ると、ココには大きな葉の植物が沢山ありました。
カメラバックと比べると、その葉の大きさが分かりやすいですが、実はこれは「ミズバショウ」で、ミズバショウは花が咲き終わると、こんなに葉が大きくなります。
ミズバショウはサトイモ科の植物で、翌年に花を咲かせるため、葉で光合成をして栄養を貯えます。
またこの林内には「サカイツツジ」と言う、ツツジが自生しているそうで、この落石岬が南限地で、「北海道指定天然記念物」に登録されているそうです。
残念ながら訪れた時は咲いてませんでしたが、どんな花か気になります
林を抜けると、ササの葉だけが茂る木道の先に落石岬灯台が見えました。
それにしてもこの広大な景色は、「ヨーロッパのような風景」とも言われる所以が分かるような気もします。
灯台まで行くと、断崖と、遥かに広がる太平洋の大海原、その他には何もない落石岬灯台は、人の気配が全く感じられず、海からの潮風が、ただただ頬に当たるだけの、寂寞感満載の場所でした。
太平洋の大海原は青く美しく、断崖は迫力満点ですが、柵は無く接近しすぎると墜落しそうで、注意が必要です。
灯台くらいしか人工物が無い落石岬。
余りにも何も無い落石岬で、風の吹きつける音とササが風になびく音、波が断崖に打ち付ける音しかしません。たまにカモメが鳴くくらいしか音が無い落石岬。
まさに知る人ぞ知る絶景が広がっていました。
一通り撮影して、夕陽を待ちます。
座っていると、本当に頬に当たる潮風が心地よく感じますが、近年はSNSで、名所や絶景が望める場所はすぐに有名になりますが、まだまだこんな知る人も訪れる人も少ない場所があります。
しばらく佇んでいると、最果てまで来たと言う「寂寞感」を感じると共に、心の中の”イザコザ”もスッキリしたような感じもしました。
太陽が傾いてきました。
大きな厚い雲が海上にあるので、海に沈む夕陽は見れそうに無く、後ろ髪を惹かれる思いで落石岬灯台を後にしましたが、林の辺りから落石岬灯台を振り返ると、数頭のエゾシカが灯台の方に歩いているのが見えました。
慌ててエゾシカの動きを、カメラで見ながら撮影します。
丁度雲間から太陽が出て来た時、エゾシカが海をバックにコチラを向いたのでパチリ。
私の気配を感じたのか、すぐにその場を立ち去ってしまいましたが、最後に思わぬ一枚を撮る事が出来た、非常に満足出来た落石岬散策になりました。
本当に灯台くらいしかない秘岬で、私が滞在していた時間中は、誰一人と会いませんでしたが、湿原に花々にエゾシカに出会えたりするなど、変化に富んだ散策が出来ますので、納沙布岬の後など、是非時間があれば落石岬も訪れて頂けたらと思います。
〇アクセスなど
・道道142号線(北太平洋シーサイドライン)から、道道1123号線終点から落石岬指定の砂利駐車場へ
(住所:根室市落石西 )
・JR花咲線(根室本線)落石駅より落石岬砂利の駐車場まで約5?
・付近に売店や自動販売機などありません。落石岬の砂利の駐車場に簡易トイレあり
・エゾシカの生息地です。特に秋季の雄エゾシカは繁殖期であり、不要な接近は危険です
・サカイツツジやその他花々の採取、また木道以外の場所への立ち入りは禁止されています。
・夕陽の名所ですが、落石岬灯台から砂利の駐車場まで徒歩30分弱かかります。外灯などは全くありません
※この観光スポットの感想クチコミは各投稿者が経験した体験を基にした個人的な意見であり、【たびかん編集部】のものではありません。
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