豊郷小学校旧校舎群の口コミ一覧

昭和１２年に丸紅の重役が主な資金を出して建てられた、メレル・ヴォーリズ設計の名建築で、当時は「日本一、東洋一の小学校」と言われたそうです。20年以上前には、老朽化を理由に取り壊そうとした町長と保存を望む町民の対立で、一時ニュースをにぎわせました。結局、隣りに新校舎を建て、この校舎は耐震工事をしたあと町の施設として残すこと決着がつきました。教室のいくつかが図書館、町の事務所などとして使われているほか、私が訪れた時は小さな子を連れたお母さんたちが親子教室のようなものに集まっておられました。

けいおん！の舞台になったとかでアニメの聖地として町おこしをしているらしく、豊郷町のあちこちでキャラのついた旗やポスターを見かけます(^_^;)
また最近では乙武洋匡さん出演の映画「だいじょうぶ３組」のロケ地になりました。

外観は絵に描いたような真っ白い正統派の校舎、正門の前には鯉のオブジェの噴水など、公立小学校とは思えないような立派な作りです。隣りにある講堂なんてステキすぎて、小学生にはもったいないくらい…

校舎の階段の手すりの上で繰り広げられるイソップ童話のうさぎとかめの物語はとても有名です。
スタート地点の一階ではうさぎとかめが並び⇒手すりの傾斜に沿ってかめが地道に歩いて行く姿⇒踊り場では、油断して昼寝するうさぎ⇒そして手すりの一番上には、ゴールして得意げに見下ろすかめの姿…といった具合に、階段を上って行くにしたがってストーリーを楽しめるようになっています。これを考えた設計者の子供目線のアイデアは、ほんとに微笑ましいですね。
このブロンズ像は、歴代の子供たちの手に親しまれ、滑らかな色で光っています。取り壊されなくて、ほんとによかった！　このうさぎとかめのストラップは、講堂にある売店でけいおん！グッズに埋もれています。

階段は、ヴォーリズ建築を幾つか訪ねた人なら歩いてすぐにピンとくる、使い手に優しい歩幅とゆるやかな傾斜になっています。上り下りしやすいので、歩くリズムがいつの間にか気持ちまで穏やかにしてくれる設計、素敵です。

平日でもまばらですがけいおん！ファンの方たちが賑やかに訪れています。建築を静かに楽しみたいなら、土日は避けた方がよさそうです。

＊アクセス＊
近江鉄道「豊郷」駅から徒歩で10分ほど。料金が高いことで有名なローカル電車ですが、車窓からの風景は味わいがあります。
この「豊郷小学校旧校舎群」は町の施設ですので、入場は無料です♪