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ヨットハーバーにもピンからキリまであるが、新西宮は間違いなくピンの部類に入る。
お洒落なクラブハウス、セキュリティ、散歩コースは気持ちが良くて桟橋は暗証番号で保護されている。
年間通して様々なレースが行われ、ヨット教室もあり、体験ボートもある。
トイレは美しく、レストランも居心地が良い。
入口メインには堀江健一氏のサントリーマーメイドが鎮座し、クラブハウスの中には同じく氏のマーメイド号が展示されていて大海原への憧れが掻き立てられる。
広い駐車場は15分以内は無料で、昼間は30分100円で、二輪は無料だった。
しかし、15分無料って、どんな意味があるのか?車を置いてクラブハウスに入ってトイレを借りるだけで15分は超えてしまう。
ここで遊ばせてもらったのは10年ほど前だったが、とにかくお金がかかりそうな場所だった。
関西ヨット界の中心的な存在で、ホワイトレース(所謂、普通の白いセイルを張ったヨットのレース)はもちろん、規則がうるさい本物のレースなどが開催されるハーバーだ。
入り口は東西二か所あるが、狭いので難しい操船が必要となる。
このハーバーには忘れられない思い出がある。
ブームパンチ・・・・
ブームパンチとは何かご存じない方もおられると思うので、簡単に説明すると、いわゆる帆走艇(ヨット)では、追い風帆走中などにおいて、風の急な振れや舵操作の失敗などで、帆桁が激しく速く水平方向へ動き、人に衝突する事故のことを言う。
新西のレースの準備中だったが、三十数年のヨット生活において初めてこのブームパンチを食らった。
奴隷船においては、ブームの高さは私の身長より高いので、通常ではパンチをくらうことは、ありえない。
食らいたくても、背の低い私はブームまで届かないので、暴れるブームは頭の上を通過する。
従って、今回は世にも珍しい、縦パンチ? を経験したのである。
なんと、太い金属の塊であるブームが、私の頭を上から直撃したのだった。ブームパンチとは、先にも説明したように、通常は横から強烈に食らうものである。
今回私が経験したのは、上からの直撃だった。コクピット作業をしていると、突然後頭部に衝撃が走って一瞬意識が遠のいた。
同じように作業している人が間違って固定ロープを解除してしまったのが原因だった。
その場で頭を抱え込み倒れた!激痛。
なんだ?何が起きたのか?自身に事故が発生したことは間違いない。不安が走る。その時、誰かの声が聞こえた。
「これはアカンで!」
(>_<)
あかんのかいな・・俺は〜〜〜????
こういう時は、「傷は浅いぞ、しっかりしろ!」と言ってほしい。
私は、頭を抱え込みながら、しばらく倒れていたが、誰かの
「血は出てないか??!!」
と言う声で、我に戻り、頭を抱えていた手袋を見た。
出血は無かった!
しかし、次の瞬間、口腔内の異常に気付いた。
下の歯列が痛い・・・・・・。
閉じていた上下の歯に、強烈な力が加わったためか、下の歯並びに隙間が出来たような痛さを感じた。
そして、頸部の異常・・・・。
しかし今日はKYCスプリングレガッタだ。総勢11人が乗船して、これからレースが始まる。
少々の痛みで皆に迷惑をかけられれない。大勢が準備をしてきた今日のレース。
「何ともない!!!」 にっこり笑って無理をした。
かくしてレースが始まった。
緊張のスタート。
ゼネリコ・・・・
フライングスタートが多すぎて、再度スタートとなった。
だが、風が無い。
スタートは良い感じだったが、その後が走らない。
何とか完走はしたが、成績はサッパリだった。
表彰式や、抽選会は午後10時から始まって、終わったのは午前0時を回っていた。
会場の真ん中には、堀江健一氏が太平洋を渡った最小艇が鎮座している。
行事が終わってバタンキューで船で寝る。新西宮ハーバーの夜は更け行く。
首と口腔が痛い・・・・。
そんな思い出がある新西宮ハーバー。あれ以来ヨットレースから遠ざかった私だった。
※この観光スポットの感想クチコミは各投稿者が経験した体験を基にした個人的な意見であり、【たびかん編集部】のものではありません。